2019年03月13日

3・12 育児犬ベンジャミン

救助犬とは知らず、
ただもう育児犬と見て
すっかり頼ることになったのだが、
これはもう不思議、
信じ難いまでになまでに一変した。

親ゆずりか?
ちょっと見かけはかわいい、
お人形さんみたいと、うっとりのカンバセながら、
その実体は尋常ではない、年柄年中救急車、
顔面だけでも17針の継ぎ接ぎ手術、
朝から晩までくんずほぐれつ大暴れの子供たちが一変した。

喧嘩というものをしなくなったのだ。
兄弟喧嘩だけではない、
近場の子供たちも同じ。

たとえば末っ子の場合、
まさに朝から晩までというくらいに、
連日、我が家の庭に
3才前後の子供たちが、集まって暮らしていたのだが、
どういうわけか泣いたりもしない、
喧嘩もしない。
で、真ん中にベンジャミン。

れっきとしたセントバーナード犬雄犬だが
母親役、かれが子供たちの真ん中にいて、
たいていは、首に花輪巻き付けられたりして座っていて、
そのスタイルで世界は不思議と静穏に
緩やかに、展開されていたのだ……

3-12_ベンジャミン 3カ月.jpg

そこでは何事も起こらない。
危険なこと、不幸な事はおこらないのである。
いったいママゴトでもしていたのだろうか?

大型犬は飼育が簡単ではないとの評判もあり、
ぞろぞろ子供を引き連れて、
大犬まで飼うとなると
ちと頭おかしいと思われたりだったが、
じつは大犬のお陰で私は母親業務は卒業、
すっかりめでたく解放されたのであった。

3-12_ベンジャミン 1歳.jpg

つまり、
4人が4人とも保育園、
幼稚園にいかずじまい、
安上がりでもあったわけで、
ともかく私は並外れた、まさに人間離れした
聖人君子のごとき犬をキャッチ。
育児をお任せするという幸運を掴んだのだ。


posted by あがわい at 00:07| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月01日

3・1 名犬バリー

我が家の育児犬との初対面はデパートのワン君売場から。
育児犬としてチョコンと座っていたのがセントバーナード犬との始まり。

生後4か月くらいか?
こんな子犬が育児?とクビをかしげたが、
ともかくも我が家の悪ガキは尋常ではない。
悪ガキどもの相手をしてくれるというのか?
本当なら願ってもない朗報、と早速に購入を決意。
木更津市のブリーダー、下村さん宅で生まれたという子犬を見に行った。

生まれたのは9匹。
全員ならんでチョコチョコお出まし。
一番最後にいかにも、恥ずかしそうに
こっそり現れたワン君に人目惚れ。

ベンジャミン・フランクリンにちなんで
ベンと名付けセントバーナード犬との毎日が始まった。

あっという間にムクムク、ムクムク、
やたらにデカくなったのには驚いたのだが、まさに育児上手。
我が家の子供だけでなく、
ご近所さんの子供たちまで一括育児……とただただ育児専科であったが、
その元々の本職は遭難救助犬であったと後になって知った。


バリー_002.png


首に結わえたのは酒樽。
樽の中はラム酒とかブランデー。
雪山で凍死寸前の旅人は
これを飲んで息を吹き返すのだ。

セントバーナードの名前の由来は
標高2500mのスイスの高山に建つ
セントバーナード寺院から。

この寺院では1000年もの間、
峠を越える旅人のために食事とベッドを提供、
2000人以上の人々の命を救ってきたそうだ。

旅人の大半は重い荷を背負った行商人たち。
雪の中から彼らを見つけだすのは至難のこと。
17世紀頃から遭難者救出に犬たちが使われるようになった。

中でも有名なのはバリー。
41人もの命を救ったとされる。

亡くなったのは1814年、13歳で亡くなった。

遭難者を発見、かけつけるバリーを
狼とまちがえた遭難者の銃弾に倒れた……との話もあるが、
イヤイヤ老いてからは施設に休養して長生きした、という説もある。


バリー_001.jpg


我が家のフクちゃんもモニーも
すべてこのバリーの子孫か。

となると育児というよりは、
親代々の救助犬としての職務で
子供たちの面倒をみていたのかもしれない。

ともかくベンといる場合は万事安心、
すっとり子供のことは忘れていられた。

よその子供たちも同じ。
まだ幼稚園にも入れない3歳や4歳だから
普通なら結構手もかかるだろうが、
ベンが来てからは全く手間いらず。

親の私も子供とはほとんど接触なし。
彼らは彼らでうまくやっていたようだ。
posted by あがわい at 22:21| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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